※管理職研修について疑問のある方、お悩みのある方は「管理職研修とは?」も合わせてお読みください。より理解が深まります。
» 管理職研修とは|目的・内容・ネタ・種類・進め方まで徹底解説【研修効果を高めるポイント】
1.管理職研修、意味がない?ほんとうに無駄?
1ー1.管理職研修は意味がないと思われてる
「管理職研修を受けても1週間もすれば元に戻る。意味がない。無駄」
「受講者も効果を感じていないし管理職はなにかと忙しいので時間がない」
そんな声が、人事研修の担当者が管理職研修を準備する際に聞こえてくる難所です。
実際いくら人事研修部門が頭を悩まして計画しても、上記にあるような「その通り」のことが起こってしまうのも他hしかです。
ではいったい何が原因なのか。
ではそうならないためにどうしていくのがいいのか。
これら人事研修部門の担当者が押さえておきたいケアポイントを紹介します。
1ー2.意味ない研修その① 抽象的で理論習得ばかりの研修
管理職として求められる要件はおおよそどの会社にも求められるスキル、スタンスはあります。
ただ、管理職だから「こうしないといけないです」とだけ、抽象的ないわゆるリーダーシップ理論に焦点を当てた内容を提供されたとしても頭の中では完全にスルーされるものです。
より実践に落とし込んて実感値が沸くように仕立てないと、理解浸透にはなりません。
もちろん頭でわかったとしても、それをいかに実践に結びつけられるか。
講師:「リーダーシップを発揮しよう」
受講者だち:「ふむふむ」「もちろん」
明日から実践できるか。
どんな状況の時に(背景)、どんな思考(目的)で、どんなシーンスタイルで(会議、メール、1on1)、どんな発信、行動をする?のか、その「判断基準」をいかに自分で持つのかが大切なのです。
1ー3.意味ない研修その② 受講者の悩みや課題を無視
管理職といっても、会社の成長ステージの違いから、受講者のスキルレベルや経験はまちまちです。
同じマネジャー=課長職という肩書を持ち呼称がそうであっても、A社:新卒入社2、3年目のリーダーレベルやB社:入社15年目のベテランクラスとまちまちです。
そんな状況の中、むしろ事情に合わせたカスタマイズが行われていない場合、一部の参加者は既に持ち合わせている知識、スキルを考えると、学ぶ機会がなく研修の意味がなくなります。
管理職がいったいどんな課題解決を望んでいるのか。通り一遍のアプローチだと 参加者が抱える本当の課題に対する具体的な解決策が提供されることありませんので、意味がありません。
参加者のスキルや経験をまずはどれだけモニタリングできるのか。目的を見据え、課題をとらえながらカスタマイズを十分にしていくことが求められるのです。
1ー4.意味ない研修その③ 偏ったメソッドの提供
研修自体が、一般的で抽象的なリーダーシップ理論は問題ですが、逆に偏りすぎの管理職研修になっていないかも考えなくてはなりません。
「管理職の課題に寄り添うがあまり、たとえば「もっと軍隊式にやらないといけない。甘すぎる」。だからこの研修会社の特訓を入れよう。」
「まずはルールの徹底からだ。よし誰でもできる朝の挨拶だ。朝の挨拶「おはようございます」はフロアに入ったら必ずやろう!ルールにすれば誰もするはずだ」
誰でもできるからルール??これ、おかしくないですか?
この場合、完全に人が持つ「感情」を無視していますね。
「おはようございます」という言葉のトーンに秘められたその人の感情を、周囲のメンバーや上司が感じ取れることの方が大事だということを無視した偏った研修になっちいますね。
偏りすぎて、実務に即したスキルや課題の解決に焦点が当たっていない場合は、受講者は実務のギャップを感じることがあるはずです。
目的は何なのか、組織の何を解決したいのか。
「**」というこの研修を導入すれば会社が変わる、管理職が育成できるなんてことはまぼろしです。
1ー5.意味ない研修その④ TOPのスタイル、組織カルチャーとの不整合
経営トップのスタイルや会社の組織文化、価値観は何年もかけて浸透定着しているものです。
それは、会社のMVVや、サービスの提供の仕方、競争優位性、トップのマネジメントスタイル、社員と社員の関わり、目標評価のやり方だったり、何年にもわたって社内には知らず知らずのうちに形成されているものです。
たとえば、「強いTOPダウンスタイル、それを打破したい。特に待ち受けが良くない」といった研修をしたとしても、実際の社内のマネジメントスタイルやカルチャーのすべてを見に行って、同時に変えていくくらいしないといくら管理職研修だけを整えても課題は残ったままなってしまいます。
研修内容が組織の文化や価値観と合致していない場合、また、経営層のコミットメントの不足: マネジメントスタイル、が元のままだと管理職が組織内で実践することが難しく、研修の意味がなくなるのです。
1ー6.意味ない研修その⑤ 研修のあと、評価とフィードバック
せっかく研修参加をして目的通りの習得をしても、 研修後の成果や効果を定量的・定性的に評価する仕組みが不足していると、参加者は研修の効果を客観的に判断することができず、意味がなくなります。
いかに実践に活かしたか。効果はどのくらい、どのタイミングから出てきたのか。実際、どんな行動・発信を変えていったのかを振り返る必要があります。
また今後の研修の磨き込みに向けて、実践できていないところの特定をして、研修自体の内容反映にフィードバックして生かすことも必要です。
事前に研修参加者の課題をとらえていたとしても、実際に現場で実行した場合にはギャップが生まれるのが普通。
これらの要因を特定し、具体的な問題に焦点を当てたより実践的な研修を提供することが期待されます。
管理職研修を毎回ブラッシュアップして、参加者の満足度が組織全体のパフォーマンスを向上させるていかないと意味が出てこないのです。
2.「役に立った」意味のある管理職研修、5つのポイント
2ー1.意味ある研修に向けて
そもそも研修だけで、管理職の成長を期待するのは難しいもの。
人材育成において「70:20:10」の法則があるとは知っている方が多いと思いますが、アメリカ・人事コンサル会社、「ロミンガーの法則」で何がリーダーとしての成長に役に立ったのかを調査したところ「研修」は10%でしかなかったのです。
そういう意味で、管理職研修を受講したからリーダーシップの発揮、成長できるかというと決してそうではない。万能ではないことを前提にしないといけません。
研修行って、それだけで人が変わったら、それこそこ怖いですよね。
ただそんな状況でも、意味ある、役に立つ研修にすることは大切ですので、以下に述べていきたいと思います。
2ー2.役に立つ管理職研修 ポイント① 必要性と課題を押さえる
前述の意味のない研修で書いた通りを反面に考えればいいのですが、まず挙げたいのが、管理職研修の目的、ゴールの設定です。
メンバーから管理職に昇進した際に、メンバーと違って会社が管理職に求める要件があるはずですから、まずはその要件の理解。
特に管理職として果たさないといけない義務がその要件には設定されているはずですからしっかり認識しておかなくてはいけません。
たとえば、人材育成。
人は勝手に育つものではありません。管理職がメンバーの育成責任を背負っている場合がほとんどです(管理職要件による)。
人材育成は自分の仕事でない、と豪語する管理職の方が一部いるのですが、管理職の人材要件をまずは確認しないといけませんね。
そのために手の入れておかないといけない知識、スキル、スタンスがありますから、いまどんなレベルなのか何が課題なのかを特定し、研修で高めていく必要があるのです。
ここがズレていると役にたつ研修にはなりません。
2ー3.役に立つ管理職研修 ポイント② 個別の設計、実務に合わせカスタマイズ
パッケージになった研修では「悪くはないが(役にたつ)、良くもない(役に立たない)」と意味ある研修をする上では、
個々のニーズに合わせたカスタマイズが必要です。
社内で繰り返し行われる管理職研修の場合は、受講者のレベルやマーケットの環境は刻一刻と変わっていますので、事情を臨機応変、柔軟に対策することが必要です。
設計はラクをせず、「時代が変わってもプログラムコンテンツのここは外せない」についてすらもいったん考えていいものです。
たとえば、「創業者の理念の浸透」は、もちろん理念は変わらないと思いますが、「浸透」のさせ方は、マーケットの環境要因、受講者のレベル、実務、配下のメンバーが違っているのでプログラムコンテンツの立て付け、時間配分は考えてもいいはず、ということです。
というように、たとえ複数人の管理職研修であっても、個別事情に合わせてカスタマイズを前提にした研修が求められるのです。
研修受講させることがゴール(それ終わり)、となることは避けたいですね。
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2ー4.役に立つ管理職研修 ポイント③実践イメージ、成功体感
理論だけだと実際の行動にはつながりません。
職場で起きるケーススタディやシミュレーションを通じたどちらかというとワークショップ(アクティブラーニング)スタイルが、明日からの現場実践に役立つものになるのです。
複数管理職が参加できる研修だと、問題解決のスキルを習得したあとに、よくあるケーススタディをもとに、体験型で実践形式でトライ。受講者同士でのフィードバックを通じて学びを深める、といったやり方があるとイメージが増すのです。
こういった、ディスカッション、グループワーク、ロールプレイを多く多用すると頭でわかっているが実践できない課題お解消に役立ちます。
そこで、やり方の一つでも成功した体感値や学びがあると、明日から役に立てられるものになっていきます。
同じような状況はありませんので、いくらシミュレーションしたとしても正解のやり方が手に入ることはありません。
ただ、方向性の大きなブレを少なくするうえでは、過去の事例や成功事例を共有する他者の意見を共有するといったコンテンツを入れるのはいいでしょう。
2ー5.役に立つ管理職研修 ポイント④ 研修の評価と改善
研修は研修が終わった後の方が効果の持続性においては重要といえます。
参加者のフォローや古帰り、定量的・定性的評価方法を踏まえ、研修時点とその後の観測ができるといいです。
一方で、研修自体も、その後の管理職の変化状況から、さらに次の管理職研修に向けての課題設定をして、プログラムの持続的な改善に向けた課題設定をしないと、役に立つ意味ある研修の実行に課題が残るのです。
研修は、受講したら、受講者、研修プログラム運営社はほっと一息つきたいものですが、双方とも、受講後がはじまりになのです。
2ー6.役に立つ管理職研修 ポイント⑤ 研修だけではく制度、社内カルチャー、スタイルの改修
研修だけやって管理職が成長したとしても、経営TOPのスタイルやコミュニケーション、また、制度のあり方が変わらないと、管理職の現場での実践がおぼつきません。
たとえば、急にボトムアップ型のスタイルを研修でやったとして、マネジメントがTOPダウン・スピード重視型が競争優位の会社だと、ボトムアップ型は逆に業績にヒットします。
管理職本人(個人プレイング)の業績が評価の100%だとしたら、部下、チームの業績は真剣に考えません。
そういう意味で、研修だけでに頼るのはむしろ危険で、会社・事業全体の状況から、管理職研修の位置付けを鑑み、目的と課題を設定することが、意味ある研修になることの一歩になります。
そこまでは私の責任領域でない、と思いがちですが、せっかく研修運営をするのならここまでを含めて研修仕立てを考えたいものですね。
3.管理職研修のさらに意味あるものに高める
3ー1.管理職研修の進め方を確認しておく
さて、管理職研修を役にたつ、意味あるものにするイメージはある程度できたと思います。
ただ実際に研修をどう進めていくのがいいか。
ビジネス? ピープルマネジメント? 新任管理職?部長、シニアマネジャークラスの方向けといったこと。
また、どうすればうまく進められるの?
求められる管理職の一般的な要件についても考えていかないといけません。
違う角度からの情報を提示していますので「詳しくは下記記事をお読みください」
3ー2.管理職研修に必要な内容・ネタを確認する
管理職研修を役にたつ、意味あるものにするイメージはある程度できたと思います。
ただ実際に研修をどう進めていくのがいいか。
ビジネス? ピープルマネジメント? 新任管理職?部長、シニアマネジャークラスの方向けといったこと。
また、それぞれどうすればうまく進められるの?
そもそも一般的な要件についても考えていかないといけません。
違う角度からの情報を提示していますので「詳しくは下記記事をお読みください」
3ー3.効果的なフォローはコーチング
管理職のリーダーシップ、成長は研修だけではうまくいきません。
定期的なフォローが必要と述べましたが、自己確認と振り返りは欠かせません。
そもそも研修で得たことを今発揮できているのか。自分の立ち位置はどうなのか。
これらをビジネスコーチングを通じて、自己解像度を高め、事業に反映・貢献できることが本来求められるはずです。
継続的な伴走支援と、経験学習による振り返りを管理職へ。
メンバー育成と事業推進のその前に、管理職自らも振り返りの機会を。
管理職研修を有意義なものにしたいとお考えの方は下記ページ「法人向けコーチング」をご覧ください。