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コーチングの種類 | 違い | 流派・思想

コーチングと一言で言ってもさまざまな種類が存在しています。ここではアプローチ・やり方から見るコーチングと、サービス(目的・対象者別)から見るコーチングについて、それぞれの種類をご紹介します。

目次

1.アプローチ、やり方から見るコーチングの種類

剣術であれば「北辰一刀流」「示現流」「二天一流」、華道であれば「池坊」「草月流」「小原流」というように、コーチングにも流派アプローチの仕方やり方があります。コーチングはクライアントが自主的に問題解決できるよう行動を変え目標を達成する方法ですが、そのための手法はひとつではないということです。

コーチングは1990年代にアメリカで発祥したと言われており、日本に伝わったのも近年です。

歴史が浅いことから世界的に統一されたコーチングの定義はまだなく、各協会団体によって考え方やクライアントへのコミュニケーションの取り方問いアプローチ手法組み立てプロセスが異なります。

コーチングの目的や、クライアントである対象者の想定、得意とする領域も細かいところでは当たり前かもしれません。

コーチを志す方にとっては自分が興味のある手法を、コーチを探している方にとっては、それぞれのやり方、流派と自分との相性を考えてみるといいかもしれません。

1ー1.コーアクティブコーチング

コーアクティブは協働的という意味。コーチとクライアント(対象者)が対等なパートナーとして関わり合い、クライアントが日々生き生きとした人生になるよう、おたがいが協力し合うのが特長です。

●人はそもそも創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である
●本質的な変化を呼び起こす
●今この瞬間から創る
●その人すべてに焦点を当てる

コーチングを行う上で上記4つの礎をベースとしており、これも他のコーチングとの差別化になっているといえます。

国際コーチ連盟に世界で初めて認定されたプログラムを提供しているコーチ養成機関「CTI」が伝えるコーチングモデルでもあります。

人にはもともと才能と想像力が備わっている。その潜在能力を信じて開花させ、クライアントが望む変化を探求するというコーチング手法です。

その場で語られる「ことがら」よりも「その人自身」の内面に注目して、しぐさや表情、声のトーンといった微細な変化を観察しながらコーチはクライアントに働きかけていきます。

ところでそもそもについて、コーチングの意味や目的効果、やり方を解説をしていますので>>コーチングとは何か?意味・種類・目的・効果・やり方のページを参考にしてください。

1ー2.NLP(神経言語プログラミング)コーチング

NLP(Neuro-Linguistic Programming)コーチングは、人の心理構造、また心や脳の機能に着目したコーチング手法です。

ビジネスシーンで活用される心理学として、人の内面と感情をコントロールし、人と良好な関係が築けるコーチングされています。

心理学・言語学の観点からセルフイメージを高め、クライアントの問題解決や自己の目標達成をします。

例えば、ミラーリングといった相手の身振りを真似ることで関係性が築きやすくするなど、よく知られている対人コミュニケーションテクニックはNLPから生まれたものが多く存在します。

そのためコーチングの入門としても学びやすいとされ、日常会話など広い範囲のシチュエーションで使えるノウハウが数多くあることも特徴のひとつです。

ちなみに。Neuroは神経五感Linguisticは言語Programmingはプログラミングの略。

1ー3.ストレングスファインダーコーチング

強みにフォーカスしたコーチングとしてストレングスファインダー認定コーチングがあります。

米国ギャラップ社の開発した「才能診断」ツール、ストレングスファインダー®診断を活用して、自分の才能(=強みの源泉)をよりよく理解し、自身の才能を強みとして活かすのが特徴です。

強みは、「才能、知識、技術」の総和。

才能とは「繰繰り返し現れる思考、感情および行動パターンであり、何かを生み出す力を持つ資質」。

たとえば、その人の持つ愛嬌や責任感、根気強さは、何かを生み出す源泉であり才能ということになります。

自らの最強の武器(=「才能』)を捉えて、必要な技術と知識の助けを借りて才能を磨けば、すべての人が強みを生かし才能を発揮しながら、強固な輝ける人生にすることができるのです。

1ー4.行動コーチング

考える、分かるといった頭の中の理解だけでなく、結果として、クライアントの行動、実践に重点を置くのが行動コーチグと言われています。

目標達成に向けたプランをコーチとクライアントが一緒になってつくりあげ、学習と行動、その結果から得られる「気づき」を促し、クライアントの自己変革を促していきます。

目標に対する達成度を定量的に計測できるため、コーチングの効果を実感しやすいとされています。

行動コーチングを取り入れて目標と実績、達成度合い、乖離を見ている企業もあります。

ただ、コーチはクライアントができるための支援をすることに重点を置くので、できないことを責めたり、叱責したりといった、昔の上司部下の関係とは少し違うかもしれません。

狭義の意味合いで使われておりコーアクティブコーチング、NLPコーチング、ストレングスファインダーコーチング、それぞれを使ってもこの行動コーチングは実現できます。

1ー5.インテグラルコーチング

インテグレーション(統合)という言葉からネーミングされたこのコーチングは、自然科学、人文科学、心理学、禅などの総合的な洞察をもとにした理論がベースとなっています。アメリカの現代思想家であるケン・ウィルバーによって提唱されました。

物事を捉えるとき、人は主観的(内的)と客観的(外的)を使い分けます。また、人間は個だけでなく、集団生活を営む生き物でもあります。

そのためインテグラルコーチングは、達成したい目標や解決したい課題に対して主観的にどう思うかだけでなく、社会や所属する集団などから客観的に見たときにどう思われるかという視点を提供することで、クライアントが気づきを得られるようコーチングしていきます。

「内的」「外的」「個人的」「集団的」の4象限をそれぞれ掛け合わせることで、広い視野をもって目標に対するアクションや今の状況を分析できるため、論理的思考力を高められるとされています。

組織論で著名なハーバード大学、ロバート・キーガン氏はケン・ウィルバー氏を称賛しています。組織論の書籍と言えば、ロバート・キーガン「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」とケン・ウィルバー「インテグラル理論」は有名です。

1ー6.オントロジカルコーチング

クライアントのありのままをキャッチし受け入れるオントロジカルコーチングがあります。

コーアクティブコーチング、NLPコーチングにアプローチが近く、オントロジー(存在論)=人の在り方に注目して変化をサポートするコーチングです。

チリの神経学者フェルナンド・フローレスが提唱したとされています。

少し哲学的な話になりますが、悲しい気持ちであれば悲しい世界に見え、幸せな気持ちであればハッピーな世界に見えるというように、人の認知によって世界はいかようにも変化します。

そのため、オントロジカルコーチングでは人の在り方に焦点を当て、クライアントが現実に起きている事象に対する感情や思考に働きかけ認識を変化させることでクライアントが抱える課題を解決できるよう導いていきます。

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2.サービスから見るコーチング種類

人生に関することであればライフコーチングを、仕事に関することであればビジネスコーチングを、精神面に関することであればメンタルコーチングといったように、達成したい目標あるいは状態によって、受けたほうがいいコーチングサービスは異なります。

現在進行中で課題別のコーチングサービスが次々と登場しています。

ダイエットコーチングでいえばライザップが有名ですね。ダイエットもコーチングの要素を大いに取り込んでいるのです(明確にコーチングというのか定かではありませんが)。ここでは代表的なコーチングサービス(種類カテゴリー区分け)を紹介しますので、参考にしてみてください。

2ー1.ライフコーチング

仕事、人間関係、健康、経済など幅広いテーマを扱うのがライフコーチングです。

「人生」や「生き方」の充足感を高めるために、個人のビジョンや価値観を明確化していきます。ライフコーチングはあらゆるテーマを扱うので、コーチは幅広い人生観が必要となります。

人生をより豊かに生きるためのライフコーチング。日本ではまだあまり活用されていませんが、コーチング発祥の地アメリカでは、自己実現に向けてあらゆる人へライフコーチングの活用が一般化してきているようです。

2ー2.ヘルスコーチング

身体的・精神的な健康を実現するためのコーチングです。

コーチングスキル以外にも、健康に関する全般、また医学的な資格、専門知識、視点、考え方、スキルを持つコーチが担当します。

身体面でいえば、予防や持病に対する生活改善や緩和に向けたコーチングを行います(※医療行為は定められた免許・資格を取得した方のみが行える行為です)。

精神面でいえば、クライアントの性格や人間関係などが起因となって現れた症状を改善するために、ストレスを取り除くコーチングを実施します。

2ー3.ウエルネスコーチング

健康と経済面・精神面の「豊かさ」日常の調和を専門に扱うコーチングです。先に紹介したヘルスコーチングと合わせて、ヘルス&フィットネス、ウェルスコーチングと呼ばれることもあります。

「豊かさの獲得」もしくは「豊かさを得るために障害となる課題の解決」を目的に、クライアントのありたい姿、今後求めるライフスタイルや価値観などを明確化。

その上で目標達成に必要な視点、考え方を身につけていきます。

2ー4.リレーションシップコーチング

人は充実感した満足度の高い幸せな人生、理想的な毎日を楽しめる人生を望んでおり、人生に寄り添ったアプローチをするコーチングです。

親子、兄弟、夫婦、恋人、友人、上司と部下、対顧客など、あらゆるコミュニケーションシーンにおいて、円滑な人間関係を築くためのコーチングといえます。

スキル向上だけでなく、人間関係の視点や考え方を身につけることによってストレス軽減、深い信頼を築いていきます。またこじれた人間関係への対応力も鍛えることが可能です。

2ー5.Businessパーソン向けコーチング(1on1ミーテングを含む)

企業や組織に属する個人のパフォーマンスを最大限に発揮できるようにすることで、経営計画に基づいた目標達成に貢献していくコーチングです。具体的な活用として3つあります。

1つ目は、上司が部下のやる気や能力を引き出すためのマネジメントの一環としてのこのコーチング。

2つ目は、利害関係のない第三者としてたとえば外部のプロのコーチを配置し、組織間や、個別の事案、また難解な人間関係の問題といった仕事職場関わる問題すべてを扱います。

3つ目は従業員の能力開発、主体性の発揮です。これも主に外部のプロコーチが行いますが、コーチングを導入することで、従業員の目標企業目標とリンクさせることが期待できます。

なお、「ビジネスコーチングとは? 受ける人、目的、効果について」解説ページを参考にしてください。

2ー6.Executive向けコーチング

経営者や経営幹部、次世代の経営幹部候補者を対象とするのがエグゼクティブ向けコーチングです。

ライフコーチングやビジネスコーチングは個人の能力発揮、あり方に重点を置きますが、こちらは事業や組織の成長に重点を置いています。

企業の進退を左右する決断を迫られる役員、事業責任者は、時には情報が揃わない中で、高度な意思決定や事業の判断を求められます。

そんな中、経営者は事業の先手を打つために冷静に判断できる心理状態を手に入れ、事業や組織に関わる大きな決断をすることができるのです、

コーチにも一定の高いスキルや経験が求められるコーチングであり、それだけにコーチは役員、決済者にとってなくてはならない良き壁打ち相談相手となるのです。

次世代のTOPリーダーとしての資質を磨く目的で、事業責任者、幹部の育成としても活用されています。

なお、「エグゼクティブコーチングとは? 経営者向けコーチングの効果、受ける人、選び方、費用」解説ページを参考にしてください。

2ー7.スポーツコーチング(アスリートコーチング)

選手のパフォーマンス最大化を目的としているのがスポーツコーチングです。

サッカーでいえばボールの蹴り方や試合のルールなど「答え」を教えるのがティーチング。一方で、ボールを蹴るときに力み過ぎているなどを改善する場合は、技術面よりも、ボールを遠くに飛ばすための考え方に変化を起こすよう、選手と対話しながら解決策を導いていくのがコーチングとなります。

また試合を勝ち抜くためにはメンタル面も重要です。不安払拭やポジティブシンキングなど、心理コントロールにおいても、コーチとの対話を通じて改善していきます。

2ー8.メンタルコーチング

目標達成や課題解決の壁となるのは、スキル・知識不足に限りません。才能があるのに勇気が出ずに踏み出せない、結果がなかなか出ずに諦めてしまう、本番に限って緊張してしまうといった精神面の影響が非常に大きいです。

マイナス思考やネガティブ心理など心理的な課題に対して心理学を取り入れ改善を目指すのがメンタルコーチングです。試合で100%のパフォーマンスを発揮できるようにメンタルコーチングを取り入れるアスリートやスポーツチームも多いです。

ラグビーワールドカップ2015年イングランド大会で、過去2度の優勝を誇る世界屈指の南アフリカを34—32で破った「ブライトンの奇跡」。

大金星を挙げたのはエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチがメンタルコーチングを取り入れたことが勝利へのひとつの要因になったといわれています。

2ー9.その他特化型コーチング

ビジネスとして発展途上であるため、日本国内でもさまざまなコーチングサービスが登場しています。

専門的にダイエットコーチング、婚活コーチング、恋愛コーチング、子育てコーチング、独立起業コーチングとアピールし特化型のコーチをしている人もいます。

コーチングを受ける人は目的や悩みに対して適切なコーチングを受けるのがいいでしょう。

ただし注意したいのはそれが本当にコーチングなのかという点です。話したいことを、脈略もなく単に話して聞いてもらっているだけに過ぎないのであればそれは時間と費用のムダにしかなりません。

コーチングでは、クライアントの求めるコーチングのゴールに到達できるか、人生の変化はあるか。充実した毎日になっていくのか。コーチがそこまで導くことができるかがコーチング。

コーチがあれやこれや話し始めるコンサルティングや、ティーチングに終始してしまい期待とは違っていたということも少なくありません。

コーチングが一般的に認知されていない現状ではこの手のことがたまに起こっているようです。

事前に確かめるためにまずは候補となるコーチに問い合わせてみてトライアルのセッションをお願いすること。

コーチのバックグランドを知ったり、そもそもコーチがどんな目的で何のためになぜコーチングをするにいたったか、プロコーチとして実績がどれくらいあるかを聞くことから始めるのがいいのかも知れません。

*コーチングの種類について最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コーチングにはどんな種類や、流派があるのか。またカテゴリーはどのようになっているのかを具体的にわかりやすくお伝えしてきました。

ただ、リアルにまだ「コーチングを受ける」自身をイメージすることはできないかもしれません。(用語として、「コーチングを受ける(受けたい人へ、どうなるの? 料金、メリット」について解説していますのでご参考ください)。

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この記事の監修者

大和直紀
大阪市立大学(現大阪公立大学)経済学部卒業 株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)入社。人材事業の営業、商品企画、制作に従事。38歳でリクルートを早期定年退職。その後スタートアップ、ベンチャー企業の執行役員、取締役として主に組織・人材開発の領域に従事。
2016年からエグゼクティブ向けコーチングをスタート。現在、経営者・幹部クラス向けコーチングを複数社に提供。また20代の若手クラスを対象には寄り添うコーチ役でいる。コーチング実績、累計約1,700時間、120人以上。コーチング、1on1ミーティングサイト「ペイサー」を運営。

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