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部長・管理職がコーチングを個人で受けるべき理由|課長との違い・組織づくり・事業創造をプロコーチが解説

< 監修:大和 直紀(株式会社ペイサー 代表コーチ)>
リクルート(HR事業)出身。ベンチャー企業の執行役員・上場企業の事業統括責任者、2社の取締役を歴任。2016年よりエグゼクティブ向けコーチングを開始。累計セッション3,200時間・延べ300名以上。米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)

 

部長=ビジネスパーソンが悩んでいる写真。

「部長になったが、課長の延長線上で動いてしまっている」「組織を動かしたいが、何から手をつければいいか整理できない」「3年先を見据えた事業づくりをしなければならないのに、目の前の業務に追われている」—部長・管理職クラスが個人でコーチングを探す時、背景にあるのはこうした問い

部長という役職は、課長とは求められる思考の次元がまったく異なります。それに気づいた人ほど、外部のプロコーチとの対話を必要としています。

この記事では、ペイサーが実際に支援している大手企業部長の事例をもとに、部長がコーチングを個人で受ける理由と、その効果をお伝えします

目次

1.課長と部長では「求められること」がまったく違う

多くの管理職が「部長昇進」の壁にぶつかります。それは能力の問題ではなく、必要とされる思考様式の転換に気づいていないことが原因です。
課長とは何か。課長はチームを率いて目の前の成果を出す「実行のリーダー」です。自分も現場でプレーしながら、部下をまとめる。プレイングマネジャーとして、業務の半分以上を自ら担うことも珍しくありません。

では部長とは何か。部長は1〜3年先を見据えた「事業をつくる人」であり、同時に「それができる人材をつくる人」です。

  • 自分がプレーヤーとして動くのではなく、組織全体のベクトルをそろえる
  • 今期の数字だけでなく、来期・再来期の事業の絵を描く
  • 一人ひとりの課長・メンバーの強みを見極め、育て、配置する
  • 部門のビジョンをつくり、人を動かす言語で発信する
  • 経営と現場の間に立ち、意思決定の質と速度を上げる

この転換がスムーズにできる部長は少ないのが現実です。それは当然で、課長として優秀であることと、部長として機能することは、別のスキルセットを必要とするからです。
だからこそ、この転換点において外部のプロコーチとの対話が力を発揮します

2.なぜ「個人で」コーチングを受けるのか

コーチング会社がサービス提供をしているコーチングは、「企業が管理職層に受けさせる」法人導入型です。人事部門が予算を確保し、対象者を選んで導入する。
しかしペイサーに問い合わせてくる部長・管理職の方は、個人として自費でコーチングを受けることを選んでいる方も少なくありません。
その理由は3つあります

①会社の目線を気にせず、本音で話したい

会社が提供するコーチングは、セッションの内容が人事に共有されることへの懸念が生まれます。「昇進に影響するのでは」「弱みを見せると評価が下がるのでは」——そうした不安がある限り、本音は出てきません。個人契約のコーチングは守秘義務が完全に機能し、また評価とは切り離されているので心理的に安心できる空間、自分のための時間になります

②会社の育成プログラムでは補えない「自分固有の課題」がある

組織が用意する研修は全員向けの設計です。しかし部長が直面する課題は、その人の組織・業界・タイミング・人間関係に関わるこ個別固有のものです。「一般論」ではなく「自分の話」を深めるためには、1対1のコーチングが必要です

③自分への投資として、継続的に受けたい

「年に1回の研修」ではなく、「月1回のメンテナンス」として自分の思考・視野・判断力を磨き続けることを選ぶ部長が増えています。これはビジネスパーソンとしての自己投資であり、会社の制度を待つ必要がありません

3.実際のコーチング事例:プライム大手企業・部長の3年間

ペイサーが約3年にわたって支援している、プライム大手企業(就職人気ランキング10位以内)の部長の事例をご紹介します(社名・個人名は伏せさせていただきます)。
この方は、部長昇進のタイミングでコーチングを開始されました。「部長の役割は何か。課長時代とは違うポジションで、いかに組織をつくっていくか」—この問いが最初のテーマでした。
プライム超大手企業の部長ですから思考の深さは相当です。生半可な対話に留まらない、プロコーチとして毎回事業の当事者になった気持ちで、良質な問いかけを重ねていくことが求められます。

そうやって一般的なコーチングで届かない、事業、組織マネジメントの多角的、複層化した視点からの問いかけを施しつつ、しっかり精緻な言語化と論理構成で打ち返していただいて事業と自己の解像度を高めてもらっているのです

3年間で起きた具体的な変化

  • 変革DXの大きな仕掛けが完成——継続的なセッションの中で、ミッションとしてのDX推進、その実現のための組織作り、マネジメントの仕掛けを整理・実行に落とし込み、社内でも高い評価を受けたと伺えました
  • 社内エンゲージメントサーベイでトップクラス——組織づくりへの向き合い方が変わり、部下からの信頼スコアが継続的に高水準を維持
  • 事業・個人ビジョン合宿が生まれた——部隊の拡大(部署統合・管掌範囲拡大)のタイミングで、今後事業のビジョンメイクのための1泊2日の合宿を実施。海外出向中のメンバーも呼び戻しての場づくりは、コーチとの対話の中から着想されたものです

これらの変化はすべて、コーチとの対話から始まっています。コーチが答えを与えたのではなく、この部長が自分で考え、決め、動いた結果です。コーチングはその思考の質を高め、行動を後押しする役割を担いました

セッションで繰り返されるテーマ

3年間を通して、このセッションで中心になるのは次のようなテーマです。

  • 部下(課長・メンバー)の個性の把握と、それぞれへの関わり方の設計
  • 1〜3年後の事業・組織の絵をどう描くか
  • 経営層と現場の間で、自分はどう意志決定に関与するか
  • 今の優先テーマは何か。何を手放し、何に集中するか
  • 自分の思考のクセ・強みを、どう組織のために活かすか

トップエリート集団をマネジメントする難しさは、一般的な研修では対応できません。だからこそ、プロコーチとの1対1の対話が機能するのです

4.部長クラスのコーチングで扱う「3つの核心テーマ」

部長・管理職が個人でコーチングを受ける際、セッションで繰り返し浮かび上がるテーマがあります

核心テーマ①:ビジョンの言語化と浸透

部長の最も重要な仕事のひとつは、部門のビジョンをつくり、メンバーに浸透させることです。しかし多くの部長が「なんとなくわかっているが、言語化できていない」状態で動いています。コーチングでは、対話を通じてビジョンを丁寧に言語化し、「なぜこの方向に進むのか」を自分の言葉で語れる状態にしていきます

核心テーマ②:人材育成の設計思想を持つ

課長時代は「目の前の部下を育てる」でよかった。しかし部長になると、複数の課長を育て、それぞれが自分の部下を育てる構造をつくる必要があります。一人ひとりの持ち味、個性・アビリティを見極め、適切な権限移譲と関わり方を設計する。これは「教わった方法」ではなく、自分の判断軸として内在化される必要があります

核心テーマ③:「自分がやらない仕事」を決める

部長になっても、優秀であるがゆえに自分が前に出すぎてしまう。その結果、部下が育たず、組織がスケールしないというパターンが生まれます。コーチングでは「何を手放すか」「何に集中するか」という判断を、自分自身で整理していきます。これが組織の自走を生む起点になります

5.費用の目安と継続期間

部長・管理職が個人でコーチングを受ける場合の一般的な目安をご紹介します。

セッション頻度と期間

月1回・60分のセッションが基本です。継続期間は、多くの場合6ヶ月〜1年以上となります。上記の大手企業部長の事例のように、3年にわたって継続されるケースも珍しくありません。それは「課題が解決しないから続けている」のではなく、「継続することで思考の質が上がり続けているから続けている」からです。

費用の考え方

エグゼクティブコーチングの費用相場については、サービスによって幅があります。ペイサーでは、まずトライアルセッションから体験いただけます。費用の詳細はお問い合わせください。
「高い」と感じるかどうかは、費用対効果の捉え方次第です。月1回のコーチングによって、組織のエンゲージメントが上がり、変革Prjが動き、事業が前進し成果が出すとすれば、その投資対効果は計り知れません

6.部長・管理職向けコーチングの選び方

個人でコーチングを選ぶ際、部長クラスが特に重視すべき点をお伝えします

①ビジネス文脈を理解しているコーチか

事業・組織・マネジメントの現場を知らないコーチとのセッションでは、対話の深さに限界があります。コーチ自身のビジネス経験・業種の幅・法人組織への理解を確認してください

②守秘義務が完全に保証されているか

個人契約であれば、セッションの内容が会社に伝わることはありません。この「安全な場」こそが、本音の対話を生む前提条件です

③「問い」の質が高いコーチか

コーチの仕事の核心は「良質な問いを立てること」です。トライアルセッションで、「この問いで、自分の思考が広がった・深まった」という感覚を持てるコーチを選ぶことが重要です

④トライアルで相性を確かめられるか

どれだけ実績があっても、相性が合わなければ効果は出ません。必ずトライアルセッションを活用して、自分との相性を確かめてください。
コーチングの選び方について、さらに詳しくはこちらもご参照ください

7.まとめ:部長になったその日から、コーチングは「武器」になる

この記事のポイントを整理します。

  • 部長と課長では求められる思考の次元がまったく異なる——「実行のリーダー」から「事業と人材をつくる人」への転換が必要
  • 個人でコーチングを受けることで、会社の目線を気にせず本音で向き合える時間が生まれる
  • 大手企業の部長事例のように、3年間の継続によってDX推進・組織エンゲージメント向上・合宿によるビジョン策定が実現した
  • 部長コーチングの核心テーマは「ビジョンの言語化」「人材育成の設計思想」「自分がやらない仕事を決める」の3つ
  • 月1回60分のコーチングは、思考の質と自己解像度を継続的に高め続ける「自己投資」である

「部長になったが、何が自分の役割か。何か物足りない」「組織が思うように動かない」「3年後の絵が描けていない」—そう感じているなら、まずはトライアルセッションを体験してみてください
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