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テレワークにおけるマネジメントの課題と手法【プロコーチが解説】

テレワーク、在宅勤務、リモートワーク、オンラインミーティング。その時、上司は部下にどのようなマネジメントをしていくのか。また上司は部下のモチベーションをどう維持すればいいのか。

そもそも上司と部下のコミュニケーションが少なかったが、テレワークになってもっと減ってきた。オフィスワークでは1on1ミーティングをしていたがテレワークになってどうしたらいいのか。

テレワークで行うマネジメントはすっかり様変わり。コミュニケーションのあり方、1on1ミーティング、事前の準備で注意をしたいこと、実際の場でのポイントを解説していきます。

目次

1.テレワークでマネジメント

テレワーク時代のマネジメント。上司は部下にどう向き合い、部下の自律性を高め育成をしながら業績を高めていくか。オフィスワークではうまくいっていたことでもテレワークではそうはいきません。

部下は、自宅では業務への集中力が続かず、数ヶ月もすると生産性が落ちると言われています。また、孤独な環境の中ではオフィス時は隣の人にすぐに聞けた悩みごとは、チャットやメールはあるとはいえリモートだと遠慮してしまいがち。

そうなるとスタックしたまま、業務は滞ったままになってしまいます。また人との関わりが減ってくると長期的にはモチベーションにも影響し、離職することにもつながってしまいます。そうならないために、ビデオ会議を通じて1on1ミーティングの場を作ってみるのはどうでしょうか。

1on1ミーティング(ビデオ会議)では、上司の支援によって部下が課題や悩みをクリアにし、「主体性」や「will」を発揮させモチベーションが高まるような上司の関わりが重要視されます。

いわゆる上司による部下の育成、立て直しの目的を多いに含んでいるのが1on1ミーティングです。よって、部下が上司に業務の進捗状況や今後の打ち手について報告、また業務上の「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」が中心の報告会議とは別と考え、ミーティングを設定する必要があります。

時間にして30分、月1or2回程度。1on1ミーティングは、上司はあくまで部下の成長のための時間と捉え行うのがいいでしょう。上司の関わりによって部下は主体性を引き出され、次のチャレンジを決めて成長できるそんなマネジメントなのです。

2.テレワークでモチベーションアップ

テレワークでは上司は部下のモチベーションマネジメントも大事になってきます。

ワークモチベーションは二つに分類されると言われ、分かりやすいのがいわゆるお金、金銭報酬です。インセンティブや賞与、特別な報酬が上がると誰もが嬉しいですよね。

もう一つは感情報酬で、「ありがとう」といった「成果」に対する言葉の欲求、「結果」の承認、知識や学びの機会による「成長」の欲求、「仲間」からの感謝や良好な関係の欲求、それぞれの欲求が満たされることによって働くモチベーションが高まっていくのです。

よって上司と部下の結びつきで大事になってくるワークモチベーションは感情報酬と言われています。

ただ人によって感情は違ってきますので部下を理解して感情報酬を満たすアプローチが上司には求められます。「よくがんばったね」「成長できたな」といった、部下の感情を満たすことばを伝えることが人がはたらく源泉につながって、長期にわたる事業への貢献になるのです。

テレワークでは上司は部下のモチベーションをケアすることはマネジメント上の大事な役割になるのです。

3.テレワークは正当な評価がカギ

テレワークでは上司は部下を実際に見られる環境にありませんので、評価の仕方、考え方を変えなければなりません。上司は部下の仕事をつぶさに見れませんのでプロセス評価することは難しく、結果評価で判断をするのがいいでしょう。

結果を評価すると言っても大事なのはその前提となる「目標」が上司、部下ともに認識が合ってすり合っているか。期限、ボリューム(数字)、内容、難易度が定量化された目標になっているか。曖昧なままでは、上司は部下の今までの印象だけで評価することになりかねません。テレワークでは、目標設定と評価は上司のマネジメントのポイント、モチベーションを高める上ではカギになります。

ちなみに、テレワークに移行したことを評価するのはよくありません。場所がオフィスからテレワークに変わってやっている。それだけを評価したら、(確かに慣れないうちは大変と思われますが)テレワーク得の人が出ててきたり、業績の結果を評価するという目的から離れてしまうことになります。

4.テレワークとコミュニケーション

テレワークだと、スタート時は通勤苦から解放されるといったメリットを感じますが、さすがに1年以上この状態が続くと部下が孤独感や逆に開放感を浸りすぎてしまうことが起こってきます。

タスクをこなして終了するだけだと、今の会社で仕事をする理由がどこにあるのかといったこと。また会社の所属感や、仲間とのやりとりが感じられなかったりすると部下の生産性にも影響してきます。時間が経てばモチベーションの低下からリテンションにも影響してくるのです。

テレワークに移行したら、オフィスワーク時にある健全な雑談の場やコミュニケーションの場作りも必要になってきます。社員同士の偶発的なコミュニケーションから新しい取り組みにつながることもありますので、休憩時のチャットや「オンライン雑談」を認める工夫も考えてみてください。

新しい仕組みや風土・文化をリセットしコミュニケーションスタイルを作り出すことがテレワーク導入の会社に求められているのです。

5.テレワークで部下をマネジメント

モチベーションの変化はオフィスワークでは、毎日顔を合わせて言葉を交わしていると意外と気付くもの。「いつもより挨拶の声が小さいな」「顔色が良くないな」と感じれば「何かあった?」「どうした?顔色良くないけど?」といった上司の声がけをきっかけに、メンバーマネジメントに生かすことができます。

だた、テレワークだと、頻繁に顔を合わすこと、ビデオ画面と通した表情や声のトーンの違いを感じることは難しいものです。

テレワークはマネジメントが3割くらい低下するくらいに考えて、気になる部下を感じたら、上司はオフィスワーク時より例えば1.5倍くらいコミュニケーションの機会をとってみる。

あるいはオフィスワークでやっていた1on1ミーティングをビデオ会議でやってみる。またチャットを、部下が面倒に感じない程度にしてみる、といった頻度高くコミュニケーションを取ることを当たり前にしてみてはいかがでしょうか。

6.テレワークでフィードバック

部下が成長し目標を実現できるようサポートやアドバイスするフィードバック。テレワークだと、オフィスワークのように上司から部下へ気軽に「ちょっといい」というの声がけができません。

そんな中でもフィードバックは上司が、部下が行う「業務の結果や見え方」など現状に関する情報をタイムリーに伝えることに意味があります。フィードバックを行わないと部下の気付きや変化に期待ができませんし部下にとって中長期に成長に関わることにもなります。

部下の動機付けを高めることにも期待されますので、上司には必要不可欠なマネジメントになるのです。

テレワークにおいてはオフィスワークよりもさらに上司(管理職)のマネジメント力が必要とされます。個人で「マネジメント力をより高めて、部下を適切にマネジメントしたい」と考えている方も、会社として「管理職全体のマネジメントスキルを向上させたい」と考えている人事・採用担当者の方も、ぜひプロコーチによるコーチングをご検討してみてはいかがでしょうか?

経験豊富なプロコーチによる問いかけにより、自身のマネジメントのあり方を見つめ直し、「どんなマネジメントがしたいのか?」「会社全体をどんな組織にしていきたいのか?」から一緒に考えてみませんか?それがテレワークにおけるマネジメント成功の近道となるはずです。

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この記事の監修者

大和直紀
大阪市立大学(現大阪公立大学)経済学部卒業 株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)入社。人材事業の営業、商品企画、制作に従事。38歳でリクルートを早期定年退職。その後スタートアップ、ベンチャー企業の執行役員、取締役として主に組織・人材開発の領域に従事。
2016年からエグゼクティブ向けコーチングをスタート。現在、経営者・幹部クラス向けコーチングを複数社に提供。また20代の若手クラスを対象には寄り添うコーチ役でいる。コーチング実績、累計約1,700時間、120人以上。コーチング、1on1ミーティングサイト「ペイサー」を運営。

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